僕の黒歴史〜中学・裸で救急搬送編〜

あのエロサイト事件以来、家族との溝が深まった僕であったが、中学2年生の冬休みのある日、些細なことで父親と喧嘩をしてしまう。結構激しめの。それも僕がインフル感染中に。(父は知らなかったらしい。)

胸ぐらを掴む父。僕は抵抗するもやはり力はあちらの方が上。なす術無しか。いや、まだだね。今着ている服はインフルで寝込んでいたため寝巻き。首元がゴムで通してある柔らかいやつ。瞬間、ヘビの脱皮が脳裏をよぎる。勝った。立ち幅跳びの予備動作よろしく体を瞬時に沈める。父の掴んでいた寝巻きは既にもぬけの殻さ。上半身裸の僕は階段を下り一階の玄関近くまで逃げる。(今までの闘争は二階で繰り広げられていた)正直、呆れられて追ってこないと踏んでいた。甘かった。階段を駆け下りるものすごい足音が迫り来る。猪突猛進とはこのことか。混乱。この後の戦略を考えていなかった。脳は思考を停止していた。しかし防衛本能はしっかり機能していた。僕はそのまま白銀の世界へと、雪を見た犬のごとく駆け出した。犬と違って絶望にかられてだが。ここであることに気づく。僕は上半身裸だ。そしてここは外。やばい。このままだと警察のお世話だ。かといって勢いよく飛び出したのにノコノコと家に戻るのも恥ずかしい。待てよ。後ろから母が連れ戻そうと追いかけてきている。これに捕まってしまえば正当な理由で家に戻れる。よし、一芝居うとうではないか。わざと雪に足をとられて転んだふりをする。僕は何も分かっていなかった。裸で雪に抱かれることがどういう事かを。雪に身を預けるやいなや、僕は呼吸ができないことに気づく。そして気絶したらしい。そのまま僕は救急搬送されたそうだ。