ぼっちになりました 大学編

僕の思い描いていた大学生活は、完全に個人単位での行動が主流で、人間関係なんて面倒くさいものはやりたいやつだけがやればいいような世界だった。しかし、僕の入った大学は高校のようにクラスのようなものがあって、入学式の後、そのクラスで自己紹介のようなものが催された。催されてしまった。

突然に開始の口火を切る教授。僕は好きな食べ物などを言って適当に切りぬけようと思っていた。しかしその計画はやすやすと打ち砕かれた。世界は僕をいじめるようにできていた。

みんな趣味のレベルが高い。スポーツ観戦くらいでも見劣りするぐらいのレベルの高さ。美術館巡り、西洋の戦争の歴史、ギルガメシュ叙事詩。なんだこいつらは。やばい、入る大学間違えた。趣味を言うたびに湧き上がる賛美の声。教授も興味深々に質問し、さらに本人の理解が深まる。やばい、僕もカードを切らねば。乗り遅れてしまう。しかし人に誇れる趣味なんて。僕は一日中ゲームしてるようなやつだ。どうする?趣味はありません、自分はつまらないやつです、と白旗を揚げるか?いいや、やってやる。おまえらに見せてやるよ。世界をひっくり返してやる。今思えばなんてバカバカしいんだ。しかし当時の僕は本当にこんなことを考えていた。アドレナリンが体内を駆け巡る。脳が沸騰する。心臓が音をたてて煮えたぎる。

そしてきた僕の番。

〜です。〜からきました。

僕は見た目がお世辞にもいいとは言えないため、案の定教室は静寂に包まれる。目にもの見せてやるよ。

趣味は、、、深夜徘徊です。

静寂に包まれていた教室がさらに虚無の世界へと昇華する。スベった。

もう書きたくない。あとは想像できるよね。今日はおわり。